はい、情シス課長です。
クラウド、いつの間にか、しかし確実に皆さんの会社・組織でも利用が増えているのではないでしょうか?
今回は、巷で囁かれている「クラウドが使えれば情シスはいらない」という意見について考えてみたいと思います。
結論、「クラウド化が進むと、情シスの価値は高まります」。
つまり、より情シス部門は、企業にとって必要不可欠となるのです。
では、その理由を考えてみましょう。
クラウド化でなくなる仕事
情シスの仕事は、大きく、以下の4つに分類することができます。
(1)IT戦略・システム企画
(2)基幹システム構築・運用・保守
(3)インフラ構築・運用・保守
(4)サポート・ヘルプデスク
では、クラウド化が進むと、このうちの何が仕事としてなくなっていくでしょう?
議論が分かれない部分から一つつづ見ていきましょう
(4)サポート・ヘルプデスクは、システムがクラウド化し、クラウドのヘルプデスクにとって代わられるので、無くなる可能が高いですよね。
(1)IT戦略・システム企画は、中長期的にどのようなシステムが会社に必要かを考える業務ですので、システムがオンプレでもクラウドでも変わりなく必要でしょう。
(3)インフラ構築・運用・保守は、社内ネットワークが残る限りにおいては、システムがオンプレからクラウドに代わっても引き続き必要でしょう。しかし、ゼロトラストの時代に完全移行すると、Wifiさえ使えればいいということになり、仕事は大幅に減ることが予想できます。
(2)基幹システム構築・運用・保守
この業務は、分解して考えてみましょう。
基幹システムの構築は、クラウドでもAWSやAzure上にシステムを構築するなら必要ですが、物理的にサーバ構築・設定する業務や運用・保守もクラウド任せになるので、不要となります。
仮に、SaaSのように、完成したシステムを使うだけなら、システム構築部分も不要となります。
つまり、
(1)IT戦略・システム企画 ⇒ 残る
(2)基幹システム構築・運用・保守 ⇒ 仕事が減る
(3)インフラ構築・運用・保守 ⇒ 仕事が減る
(4)サポート・ヘルプデスク ⇒ 無くなる
となります。
え、情シスの仕事なくなるじゃん。となりますね。
クラウド化に必要なスキル
しかし、逆に増える仕事もあるのです。
つまり、誰かがクラウドの選定やクラウドサービスにバージョンアップ等への対応、よりよいクラウドサービスへの切り替え検討等を行うようになるのです。
当初は、利用部門でITに詳しい人が担うでしょうが、段々とその業務が重くなり、結局あらたな情シスの業務となるのです。
また、日本の場合、以下の業務の多くの割合をベンダーに委託しているのではないでしょうか?
(2)基幹システム構築・運用・保守 ⇒ 仕事が減る
(3)インフラ構築・運用・保守 ⇒ 仕事が減る
(4)サポート・ヘルプデスク ⇒ 無くなる
つまり、減るのは、ベンダーに発注する部分なのです。
結果、クラウド化しても情シスの仕事自身は減らないのです。むしろ新たな業務としてクラウド化の推進や利用部門主導で導入されたクラウドの管理・維持を引き受ける必要があります。つまり業務が増えるのです。
クラウド化後に求められるもの
では、クラウド化後の情シスには、何がもとめられるでしょうか?
これまでの必要であったサーバ構築・運用ノウハウは不要となります。代わりにクラウドサービスの良しあしを見極める能力であったり、それらを使いやすい形で組み合わせることを提案することが求められるのです。
つまり、今後の情シスでしゃ、(1)IT戦略・システム企画 の業務が増えるということになります。
IT戦略・システム企画に求めれるスキル・能力はなんでしょうか?
ずばり、それは「論点思考」です。
もはや、システムは社外にあるのですから、システムを作るスキル・能力は不要なのです、企業が抱える問題を理解し、その中で解くべき問題を選びとることが大切となるのです。この真の問題を「論点」と呼びます。
今後の情シスは、システムを作るのではなく、企業の真の問題「論点」をクラウドなど、社外にあるシステムを如何に組み合わせて、解決していくのかというスキル・能力が必要となるのです。
論点思考
「論点思考」は、以下の記事で紹介しています。
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